どんな社会にも暗くて謎めいた裏の顔がありますが、インターネットも例外ではありません。GoogleやYahooなどの検索エンジン、FacebookやInstagramなどのSNS、楽天市場やメルカリなどのネットショップ、昔流行ったmixiやパスワードで保護された電子メールの受信箱やクラウドストレージドライブのはるか下には、特別なツールを使ってしかアクセスできない「ダークウェブ」と呼ばれる地下のインターネットが存在しています。この記事では、ダークウェブの全貌に迫ります。 目次 ダークウェブとは? ダークウェブの用途:何があるのか? ダークウェブ vs ディープウェブ:何が違うのか? ダークウェブへの入り方 ダークウェブを作ったのは誰か? ダークウェブはどれほど危険なのか? Torとは何か? なぜ人々はダークウェブについて検索するのか? ダークウェブやディープウェブへのアクセスや閲覧は違法なのか? ネットの匿名性のためにダークウェブを使う必要はありません ダークウェブとは? ダークウェブとは、インターネット上の小さな領域のことで、インターネットからIPアドレスを隠すウェブサイトから構成されています。ダークウェブのサイトにアクセスするには、特別なプログラムや技術が必要で、多くの場合、訪問者のIPアドレスもウェブサイトから隠されています。特別なツールなしにアクセスすることは不可能です。すべてのダークウェブサイトは、ダークネットを通じてホストされており、ほぼすべてのトラフィックが暗号化されています。 ダークウェブは、通常の手段ではアクセスできず、Googleなどの検索エンジンで見つけることができないウェブサイトで構成されている、インターネット上の小さな領域のことを指します。ダークウェブにアクセスするには、特別なソフトウェアや方法が必要です。すべてのダークウェブサイトは、ダークネットを通じてホストされており、ほぼすべてのトラフィックが暗号化されています。 ダークウェブの用途:何があるのか? ダークウェブには様々なものが混在しています。ダークウェブはプライバシー確保のために合法的な用途で利用されることもありますが、悪質で違法な目的で使われることもあります。 では、実際にダークウェブで買えるものや、取引されているものは何なのでしょうか?その中には、以下のようなものがあります。 プライバシー重視のサービス:安全な電子メールサービスやプライバシーの権利について議論するフォーラムなど、ユーザーのプライバシーを優先するサービス。 研究と分析データ:研究者がダークウェブにアクセスし、インターネットのセキュリティ、サイバー脅威、違法行為などを研究することもあります。 ジャーナリズムと内部告発:ジャーナリストや内部告発者が機密情報を安全かつ匿名で共有するためのプラットフォーム。 制限された情報へのアクセス:厳しいインターネット検閲がある国では、ダークウェブによって制限された情報やSNSにアクセスすることができます。 以下のように、犯罪目的での用途もあります。 サイバー犯罪:ハッキングサービス、マルウェアの配布、盗難データの販売など。 麻薬の密売:違法薬物の売買は最も一般的な違法行為のひとつ。 武器の密売:銃器や弾薬の違法取引。 偽造品と通貨:偽造品や偽造通貨の取引。 偽造文書:パスポート、運転免許証、大学の学位証などの偽造文書の作成と販売。 人身売買と搾取:違法な人身売買、児童搾取、その他の虐待に関する活動。 詐欺と詐欺:なりすまし、クレジットカード詐欺、各種金融詐欺など。 ほとんどの国では、ダークウェブへのアクセス自体は違法ではありませんが、犯罪行為や違法行為を行う目的でダークウェブを使用する場合は、もちろん違法です。 ダークウェブ vs ディープウェブ:何が違うのか? ダークウェブとディープウェブはしばしば同じ意味で使われますが、この2つには違いがあります。これらの用語が混同されるのは、その定義が重複しているためです。ただ、重複する部分もあるとはいえ、この2つの用語はインターネット上の2つの異なる領域を指しているのです。 ディープウェブは深層webとも呼ばれていて、BingやGoogleのような標準的な検索エンジンでインデックスされていないオンライン上のすべてのコンテンツのことです。単にGoogleを使ってディープウェブのコンテンツを検索しても、何の結果も得られません。このようなディープウェブの情報のほとんどは興味をそそられないもので、パスワードやペイウォールに隠されたデータで構成されています。Dogpileのように、ディープウェブの検索結果を表示する検索エンジンもありますが、これらのタイプの検索エンジンのほとんどは大きな事業体に買収され、閉鎖されたり、廃業したりしています。 ダークウェブは一般的にディープウェブのサブセットです。ダークウェブのサイトは、アクセスするために特別なツールを必要とするため、通常の検索エンジンではインデックスされません。 ダークウェブへの入り方 まず前提として、ダークウェブへのアクセスはお勧めしません。また、十分な知識がない中で、ダークウェブにアクセスするのは非常に危険であることを覚えておきましょう。やむを得ない理由がある場合、以下の方法でダークウェブへ入ることができます。 1.特別なブラウザをダウンロードする ダークウェブにアクセスするには、特別なブラウザが必要です。ダークウェブは、FreenetやI2Pなど、暗号化されたP2P通信を利用してアクセスすることができます。ダークウェブへ入る目的で使われる最も有名なツールは、Torです。Torは通常のウェブブラウザと同じように動作しますが、暗号化が何層にもわたっているため、動作が非常に遅くなっています。 2.プライベートな検索エンジンに切り替える ダークウェブの内容を検索したい場合、DuckDuckGoやAhmiaのようなダークウェブに対応している検索エンジンも必要になります。DuckDuckGoは、Torサイトのドメイン末尾である.onionを持つウェブサイトをインデックス化できる特殊なエンジンのひとつであるため、ダークウェブユーザーの間では有名な検索エンジンです。DuckDuckGoのような検索エンジンを使わない場合、実際のアドレスを事前に知らない限り、ダークウェブのサイトにアクセスすることができません。 3.セキュリティ対策を強化する ダークウェブにアクセスする場合、危険が伴う可能性が非常に高いため、セキュリティ対策の強化は必須事項です。セキュリティ対策の中でも、オンライントラフィックの暗号化やIPアドレスを隠す仕組みを備えた「VPN(仮想プライベートネットワーク)」は、事前に導入しておくことをおすすめします。ダークウェブにアクセスしたデバイスが特定されたり、身元がバレたりするのを回避できます。 どうしても必要な場合を除き、ダークウェブへのアクセスはお勧めしません。 Torブラウザへのアクセスが誰でも利用できるようになった2008年以降、ダークウェブ上での犯罪行為が顕著に増加しています。これが、Torやダークウェブ全般に蔓延する負の評判につながっています。 ダークウェブを作ったのは誰か? ダークウェブは、イギリス、エディンバラ大学での学生のプロジェクトから始まりました。当初の目的は、分散化されたP2Pのファイル共有プログラムを作ることでした。1999年にイアン・クラークによって作られたこのプロジェクトは、すぐにFreenetへと発展し、オンラインでの言論の自由を実現するプラットフォームとなりました。ユーザーが匿名で、検閲を受けずに情報を議論、共有、公開することができるというものでした。 2000年にFreenetが一般に公開されたことで、オンラインで匿名になれる方法が注目され、需要が高まりました。この需要の高まりは、おそらく最も悪名高いダークウェブプログラムである「Tor」の開発者たちを刺激することとなりました。 Torは2002年に一般公開されました。Freenetと同様に、Torの作成者は、匿名でオンラインでのやりとりやファイル共有を可能にするプラットフォームを構築するためにTorを開発しました。特に、抑圧的な政府の下で生活している人々の、「不利益が及ぶのを恐れずに自分の経験を他人と共有したい」という要望に応えるツールでもあったのです。 すべてが変わったのは、2008年にTorがオンライン暗号化ソフトウェアのブラウザ版をリリースしたときです。ダークウェブへのアクセスが容易になったことに加え、2009年にビットコインや暗号通貨が登場したことで、現在知られているようなTorやダークウェブの悪評が生まれました。違法な商品を匿名でオンライン販売できるツールと、暗号化された支払い方法は、技術に精通した犯罪者にとっては魅力的な手段だったのです。 ダークウェブはどれほど危険なのか?…
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